自閉症スペクトラムと診断されて

2歳で境界知能ASDと診断された普通級に通う6年生男児を育てる母の子育て記録

療育効果が感じられない

療育を受けさせているお母さんは1回くらいは思うのではないでしょうか??




うちは息子に1年以上療育を受けさせていますが、
週1回の療育を受けたことで息子の不適切な行動や私の困り事、何かがはっきりと改善したのかと聞かれると




改善していないと思います




そもそも週1回しかも1時間ちょっとじゃ回数が少ないので、療育施設や先生に対してプロなんだから短期間にわかるような結果出せ!改善させろ!というのにはやはり無理がある。




でも、でもねぇ…
「治療」と「教育」なんですからね、療育って。
治療なのだから治して欲しいし、教育なのだから出来ることを増やして欲しいと思う。
そんな風に思うのは、ただの屁理屈で勝手に相手に期待し過ぎているのかもしれない。
不適切な行動を減らしたい。
出来ることを増やしたい。
っていうのは、発達障害児の親が最も熱望していることなんじゃないかな?
そう考えると、もやっとした気持ちになります。




私と一緒の時に、椅子に着席できるようになったり、指示が通る事が増えたので、そういう意味では多少療育の効果があったのかもしれませんが、療育のおかげなのか純粋に本人の成長なのか正直わからないです。




だからといって集団療育はまったく意味が無いものではなく、他の子がやってるのを見たり、やろうという気持ちになったり、先生の促しでやりたくないことや苦手なこともやってみようという気持ちを引き出すきっかけになったり、どういうことが苦手なのか、出来るのかがわかったりするいい機会だったりします。




以前、療育クラスで機関車の運転士を親子で交代する遊びを何度かやっていた時期に、運転士交代をしたくないと癇癪起こして泣いてしゃがみこんでしまったりでまったく交代出来なかったのですが、ABAでぬいぐるみを使って順番に交代する練習して出来るようになったことがありました。
療育の先生は突然出来てビックリしてましたけど。
療育施設は家で療育的関わりで身につけたことが実際に出来るのか実践してみる場所でもある。
幼稚園とも家庭とも違う視点から本人の状態を冷静に見ることができるのかなとも思います。




残念なことにそもそも公的な療育は、すぐに結果を出すことが優先順位の一番ではないようです。
小集団トレーニング療育の意味は、まず他の子もいる状態で先生を見ること、注目すること。
一人の先生がみんなに言った一斉指示を聞いて理解し行動する練習、そしてお友達と上手に関わる練習です。
つまり小学校に入ってからの勉強や一斉指導を想定したトレーニングだと思います。
えんぴつを持って書くことも必要ですし、いろいろな事がスムーズに行くように、粗大運動などの感覚統合を取り入れている。
それって長い時間をかけないと身に付けられないことなの?
と思ったりもしますが、療育クラスは発達障害児だけではないので、その関わり方が公的療育の限界なのかもしれません。




息子は私や主人と一緒だと、外出先で好きに振る舞ってもあまり怒られない、許してもらえる。自分のやりたくないことはやらなくていい。と思っている節があります。
療育施設でもやりたくないことは泣いて拒否したり、意図的に無視したりします。
注目してもらいたくて、私に怒られるような、構ってもらえるような行動をしているときもあると思います。
(怒られることも、息子にとっては構ってもらえるというメリットになる)



一方で幼稚園では、製作が苦手なことを指摘されるくらいで先生やまわりが困るような行動は一切無し。
座っていられる。待っていられる。着替えも問題ない。
先生の質問に簡単なものなら答えられる。一斉指示にも従えて、お友達とトラブルを起こさない目立たない、怒ったり喧嘩しない穏やかな子です。




公的療育はすぐにわかりやすく結果が出ないことが数ヶ月受けてわかったので、そのジレンマを解決するためにABAを自費で受けさせている部分もあります。
ABAも劇的な改善や成長を望めるわけではないんですけど、やらないよりマシという認識。




結局のところ、自分の子ですからね。
療育施設の良いところは有効に使いつつ、幼稚園に通わせ、そして親が日々の関わりの中で「生きていく上で大切だと思うこと」は根気強く身に付けさせ、正しく学習させていくことが大事なのだと思う。
正直ストレスが溜まるときもあるし、投げ出したくなるときもある。
我慢に我慢を重ねてブチキレて怒鳴って怒って、威圧してしまっているときもある。
ギリギリのところで踏ん張っている状態です。




療育ですぐに効果が出ないし相変わらず息子の扱いにくさは変わらないので、通わせている身としては悲しくなってきますが、家でだらだら過ごしているくらいなら、行かないより行ったほうがマシ。
来年度は中弛みしないように、全部に出席することを目標に通わせたいと思います。