自閉症スペクトラムと診断されて

2歳で境界知能ASDと診断された普通級に通う5年生男児を育てる母の子育て記録

龍園愛梨さんの記事に思うこと

私と同年代の都議会議員の龍園愛梨さん。
以前テレビ番組で息子と歳の近いダウン症のお子さんがいらっしゃると知りびっくりしました。
現在、4歳の息子と暮らしながら、ダウン症のある子を持つ親が集う教室などを主催しているそう。



龍園さんのコメントネット記事コメントより一部抜粋

うちの子にダウン症があることがわかってやっぱりショックでしたが、その瞬間から(アメリカでは)サポートが始まるんです。具体的には自宅まで州の担当者が来てくれて症状や傾向を査定。それを経て、ひとりひとりが必要とする最適なオーダーメイドのサポート案が作られます。だから、落ち込んでいる暇がなかった(笑)。逆にダウン症のある子供が生まれてきてよかったなあと本気で思っています。


アメリカは障がいのある子供に特化した修士か博士号以上のスタッフじゃないと療育に携われないのですが、日本は作業療法士理学療法士などの人材が不足していて、残念ながら現場に専門的な知識が少ない方も大勢いらっしゃるんです。すごく一生懸命やっているんですが知識量が足りないように感じます。


(アメリカは療育に関する必要が)基本的には無料です。日本だったら、役所の障がい者支援課に行っても、なかなか必要な情報や支援にたどりつけません。

(抜粋終わり)



そうなんです。
必要な支援にたどり着くまでが本当に大変なんです!
ダウン症だったり、車椅子だったりなど見た目でわかりやすいお子さんは、まだ支援が受けやすいと思います。周りも提案してくれたり、親身になってくれる。
龍園さんでさえ、日本では必要な情報や支援にたどり着けないと感じでいるのですから、自閉症スペクトラムなどの発達障害に関しては比較的最近やっと注目されはじめた障害というのもあって、適切な支援を受けたり情報を得るのが本当に大変なんです。



日本では多くの場合、幼稚園や保育園の先生はよほどのことがない限りうすうす思っていても何も言ってはくれない。
明らかな違和感や本人の困りが起こって、親が動いた時には、すでに受けられる療育が無かったり、ある程度年齢が上がってしまっていたりすると、問題を改善するのが難しくなってしまうことがあると聞きます。



現状、息子が通っている自治体療育はずっと定員いっぱいで、診断が出ていても療育施設からある程度出来ているからと断られたり、程度が軽いと順番待ちにも入れてもらえなかったりします。
病院も半年弱は待つし、自治体療育以外の選択肢もどこもいっぱいだしで、気がつくのが遅ければ遅いほどその分親は途方に暮れるんじゃないかなぁ?
行き場や情報が乏しく親も子も本当に困っているのにどうすることも出来ないなんて悲しすぎます。
3歳前に息子が発達障害と気がつくことが出来た私ですら、出遅れたと感じていますし、比較的早期に専門医に診てもらい療育にたどり着けたのかもしれませんが、正直何度も途方に暮れました。
あと1年遅かったら、今のように個別や集団療育、自費セラピーは受けられなかったでしょうね。




息子と龍園さんのお子さんは障害の内容こそ違いますが、何らかのフォローが必要な子どもであるという部分は同じだと思っています。
普通の子を育てるお子さんはいいなーと思ったり、いろんなことに日々悩み、ストレス溜め込んでいる私は何をやってるんだと思うこともあります。
悩んだり、落ち込んだりしているヒマが無いくらい子どもに向き合わないとな。と考えさせられた記事でした。



龍園さんは現状を受け入れて、前向きに子育てに仕事に、それ以外の活動にと頑張っていらっしゃる。
実家のご両親のサポートもあるとはいえ、なかなか出来ることではありません。
どこからそんな力が出るんだろう?頭が良い人だなとも思います。
たまにテレビやネット記事で龍園さんの話題を見かけると、凄い…凄すぎると思わずにはいられません。



日本ではまだまだ療育や支援が遅れている。
議員さんなので、福祉のことばかり考えていられる訳ではないと思いますが、龍園さんが議員になることで東京都の特別支援や福祉の仕組みや内容が良い方向に変わることを切に願っています。
自分には関係ない話しでも、自分の身内が福祉のお世話になることがあるかもしれない。
適切な支援があれば働ける大人が増えると思いますし、幼児期の支援はお金と手間のかかることではありますが、長い目で見れば結果的に初期投資が少なくて済む。社会にとって良いことなのかなと思ったりもします。
少なくともアメリカではそういう考え方だから、発達障害のお子さんに適切な支援を受けさせているんだと私は認識しています。



たまに龍園さんの話題を目にすると、落ち込んでる場合じゃない。悩みを抱えていても頑張って子育てしているお母さんがいる。
前を向いて出来ることをやろうと思える、知らないかたではありますが、私にとっては特別な存在の方です。



今週は集団と個別療育が1回づつ。セラピーもあります。他にも習い事があったりで毎日を忙しく過ごしていますが、息子が小学生なり中学生になった時、幼稚園時代は大変だったけどあの頃の頑張りがあったから息子は順調に問題無く育っているんだ。
良かったな〜。
そんな風に思える日が来ると夢見ています。