自閉症スペクトラムと診断されて

2歳で境界知能ASDと診断された普通級に通う6年生男児を育てる母の子育て記録

自分が努力すれば?

発達障害って実は治るよね。


社会の理解?
限界があるでしょ?
それより自分が努力すれば?



本の中での浅見淳子さんの発言。
目から鱗。
このコメントに清々しささえ感じました。




私が息子を幼稚園に入れた理由はまさにそれだ。


母親の私は、幼稚園に自閉症スペクトラム児の特性への理解は求めていない。浅見さんのおっしゃる通り障害児だから理解しろと言われたところで限界があると思うからだ。
そもそも幼稚園教諭は定型発達の子どもの教育のプロではあるが、障害児教育のプロではない。なので障害児に配慮や理解してほしいというのは畑違いだしおこがましい。(そんな厚かましいお願いはしないけど)



大多数を占める定型発達の人達の社会の中で自閉症スペクトラムの息子は生きていかなければならない。
息子はIQが極端に低い訳ではないので障害者手帳はもらえないし、障害者年金が出ることも無い。普通に学校に通い他の大多数のお子さんと同じように就職するなり仕事をすることになる。



そのために、まずは小さな社会である幼稚園という環境で適応できるように自分なりに努力しなければならない。
出来ないなら出来ないなりに諦めないで頑張るということを学ばせたかった。
お友達にも得意不得意があって、みんなそれぞれ頑張ってやっているんだと知って欲しかった。
お友達や先生と言葉を交わして上手にコミュニケーションを取ることは難しいかもしれないけれど、人と関わることもはじめての経験も実は怖くない。
時にはやりたくないことをやらされるかもしれないけど、やってみたら楽しいかもしれないし、何回かやってみたら出来るかもしれない。世の中って結構楽しいもんだよって感じて欲しかった。



ただ無防備に幼稚園に放り出すわけではなくて、担任の先生から息子の様子を定期的に確認したり、本人の困り事を家でも練習したり、不適切行動が起こらないように言い聞かせたり、親としてできる限りのフォローをしていますけどね。
といっても私が出来ることはたかがしれている。



外遊びが多くてのびのび系の幼稚園だからか、息子に合っているようで毎日楽しそうだ。
幼稚園自体は障害児を受け入れていないが、息子以外にも明らかに自閉症スペクトラムと思われるお子さんがいたりするので、障害児でも受け入れる心の広さとあたたかさがある幼稚園で本当によかったと思う。(うちの近くには障害がわかったとたん辞めさせられる幼稚園がいくつかあるので)



浅見さんが幼稚園児も含めて「発達障害は治るんだから努力すれば?」と言った訳ではないと思うが、息子は年少なりに幼稚園で努力してるらしく、先生からも面談や連絡ノートで息子くん頑張ってますよ。と言ってもらえている。
自分がやりたくない製作や踊りも他のお子さんと同じように練習したり、製作も苦手なりに自分でやろうと頑張ってる姿は見受けられる(出来ていないけど)、家での様子と幼稚園での様子がまったく違うのは、実は努力の成果なのかもしれない(苦笑)
息子に幼稚園は無理と言い切った自治体の発達相談心理士もいたけれど、無視して今の幼稚園に息子を入れたという判断は間違っていなかったと思う。
(その後主治医からは幼稚園を勧められた)



座ってられないとか、指示に従えないとか、癇癪起こすとか不適切行動はダメなものはダメ。行事とか製作、身辺自立、読み書きとかやらないといけないことはやる。身に付けないといけないことは身に付けさせる。
当たり前の事なのですが、息子の障害がわかってから、他に考える事が多過ぎてそこまで考えが及ばなかったんです私。そういうことに気がつかせてくれた浅見さんの本には本当に感謝します。
療育の先生や主治医や療育ママ達から、そんなアドバイス貰えませんから、自分で本を読んだり情報を収集して気が付くしかないのよね。



もし違ったと思ったらすぐに考えを改めればいいし、違う道を選択したとしたらやり直せばいいんだしね。
何かを身に付けさせるために、この方法がダメなら別の方法を考えればいい。
子育てにも人生にも柔軟性が必要だね。