自閉症スペクトラムと診断されて

2歳で境界知能ASDと診断された普通級に通う6年生男児を育てる母の子育て記録

発達の遅れ、気になるところ

最近、作業療法でハサミの練習をやった息子。
だいぶ出来るようになったと思ってしばらく自宅でやっていなかったら…
全然出来てませんでした。
出来なくなってました。
まっすぐ切れてないし、親指のはらが下を向いた状態で切ってるし。
おかしいの。
本当にがっかり。
やっぱり手先が極端に不器用。



最近自宅でハサミを使う練習していなかったし、療育クラスでもまったくやってない。
幼稚園も運動会の練習ばかりだっただろうから、ハサミやってないんだろうな。
いつかは普通に使えるようになると思うけど、ちょっと恥ずかしいレベル。
年齢相応には使えてない。



ハサミもできないくらい手先がアレなんで、お箸も使えてないっぽい。
自宅では嫌がるし、お箸をテーブルに置いても絶対に使わない。
エジソン箸を毎日お弁当袋に入れてるけど、「お箸使った?」って聞くと「使ってない」って答えが帰ってくるのよね。
切ない…




年長になったら、お友達にバカにされたりしちゃうのかな?
もしそんなことがあったらかわいそうだなとか思っちゃう。親だからね。
息子はバカにされたことすら、気が付かないかもしれないけど。
変にプライドだけは高い息子だから、お友達や先生に言われたら頑張るかもしれない。
最近手先の練習は後回しになってる。
おりがみも簡単な飛行機すら折れないし。




それと現在4歳10ヶ月の息子ですが、未だに夜おむつを付けて寝ています。
おねしょも週に1〜2回してる。
最近寝る前にトイレに行かせると、おねしょをしなくなりましたが、少し前までは寝る前にトイレに行かせていてもおねしょをしてたから、膀胱が大きくなってためられるようになったんですかね。



最近、療育と習い事、自分の仕事で手一杯で、家ではのんびり過ごしていて、療育っぽいことしてないのよね、私。
就学まであと1年5ヶ月。
焦ってどうにかなることではないけれど、のんびりもしてられない。

運動会 年中

4歳の息子が通う幼稚園で、最近運動会が終わりました。



幼稚園から特に連絡もありませんでしたし、昨年の運動会も息子は頑張っていたので、今年も大丈夫だろうと思ってあまり心配はしていませんでした。
いつもなら幼稚園の行事は面倒くさいし、楽しみじゃない。息子が他のお子さんとは違うのを目の当たりにしたくない。息子がちゃんとやれてないのを見るのが辛いので行きたくないと思うのに、今回はそんな風に感じなくていいのは、息子が行事では集中して頑張れる子に成長したことと、不適切な行動が激減したからだと思います。




息子には、ママは◯◯くん(息子)が一生懸命頑張ってる姿が見たい。
かけっこの順番は気にしなくていいから、踊りも自分が持ってる力をぜーんぶ出して頑張ろうね。と前日にお約束しました。




運動会の後半、他のお子さんが疲れてダラダラしてしまっている中、息子はじっとしているべきところではじっとしていて、泣くことも涙ぐむこともまったくなかったし、集中していた。
本人の出せる力を全て出し切って頑張っていました。
かけっこも遅いし、踊りも見栄えがいいわけではないけれど、一生懸命踊ったり、走ったりしているのがよくわかりました。毎日練習を頑張っていたのだと思います。
それだけで100点満点。




息子の出番と出番の間に、お友達と楽しそうに過して、一緒に大人しく座っている姿を見て嬉しくなりましたね。
かわいかったし、とても微笑ましかったです。
子どもには子どもの世界があるんですね。
仲良くできるお友達がいて本当によかった。




実家の両親がどうしても運動会を観に行きたいと言うし、息子もじいじとばあばに来てもらいたいと懇願するので、今回も来てもらうことになりました。
少しは私の両親への親孝行になったかなと思います。
孫は無条件にかわいいようですしね。(祖父母に診断名は教えていない)




息子には発達障害があるけれど、今のところは何とか大きな問題が起こることなくやれている。
2歳の自閉全開な頃を思い出すと、現在のいろんな場面に適応している息子の状態は奇跡とさえ思います。
息子くん、運動会頑張ったね。
お疲れ様でした。

発達障害 早期診断早期療育

巷ではNHKで何度も特集が組まれるくらい、発達障害というものが多少なりとも認知られるようになりましたし、ちょっとしたブームのようなものが、少なくとも1年以上は続いてる。
私も以前からLDとか自閉症とか、知ってはいるものの大変だなーと思うだけで、息子が自閉症スペクトラムと診断されるまで、関係ない話だと思ってました。



早期診断早期療育の重要性を専門医が言っていたり、発達障害のお子さんを育てている親御さんも口々に早期診断早期療育を受けて良かったとおっしゃいます。
うちの地域は支援学級や通級クラスを利用するお子さんが毎年増えている現状もあり、中にはそれがうまく行っていないのでは?と指摘される方もいます。




自閉症スペクトラム児を育てる私が思うことなのですが…


早期療育、早期診断されてわが家の場合は良かったと思っています。
息子のように、比較的早期に専門医に診てもらうに至るということは、日々親が子どもに違和感や育児困難をとても感じていたということ。
育児困難や発達の遅れを親だけではどうやっても解決できなかったんです。



勇気を出して早期に病院に行き、診断され、主治医と出会えたり療育につなげられた事は、悩みに対する解決手段を提案してもらったり、話を聞いてもらったり出来ましたから、息子と親にとって結果として良かったと思っています。
診断名や発達が遅れている現状を知り、悲しかったり、死んでしまいたいと思い詰めるほど辛かったりしたのも事実ですが、息子の現状がわかったことで、今までとは違う考えや方法で育てていく必要に迫られ、気がつくことが出来ました。



週1回程度の療育が必要と検査結果に主治医が記載してくださったおかげで、息子は集団と個別の公的療育を年少から受けることができました。
療育のおかげなのかはわかりませんが、結果的に幼稚園でも大きな困り事も無く、自宅でも息子に対する扱いにくさがかなり減ってきています。
子育ての事を深く考えたり、調べたり、良いと思った事は実践してみることが今も続いています。



集団療育クラスに通えたことで

・私達と同じような方々と話せたり情報交換できる

・療育の先生に困り事を相談出来る

・息子の苦手なことや新しい課題がわかる

・親では気がつかない息子の良い部分、気になる部分を教えていただいたり、アドバイスを受けたりと第三者の意見が聞ける

・療育クラスでは少人数での課題や、大きなトランポリンやバランスボールを使った体への働きかけなどの幼稚園では出来ないような経験をさせてもらっている。

などなど…親にとってはとても有り難い場所で、遊びを通していろいろ学べるので、息子は毎回療育クラスを楽しみにしています。



公的療育は就学に向けて最低限必要なことを長い時間をかけて身に着ける場所だと思っています。
授業で座っていられる、大人の指示に従える、鉛筆やお箸を使えるようになるための手先の訓練、グループワークなどを通した人と関わる練習、感覚統合など。



公的療育でできること以上を親が求めるのであれば、家庭なり、別の場所で補うなど考えて子どもと関わっていかないといけないと親は思っていた方がいいでしょうね。
療育は何でも解決してくれる魔法ではないので。
子育ての基本は家庭ですからと主治医の先生から言われた事を思い出します。



私や息子と関わってくださった主治医や保健師、療育の先生には本当に感謝しています。
他の大多数の方々とは違う育児に日々悩んでいましたから、その現状が少しづつですが改善してきているし、本人も幼稚園で楽しく過ごしていますし、先生から何かを指摘されることはほぼありません。
身につけやすい時期にいろいろな角度からアプローチすることで、本人や親の困り感が減っているように感じています。



療育なんぞ受けなくとも、希望しているのにすでにいっぱいだからと受けられなかったとしても、立派に働ける大人に育てた親御さんもいらっしゃいます。
学校や園任せではなく、基本は親が子どもときちんと関わる。いろいろ教えていかないといけないんだと思います。



ただ私のように自分だけではどうしようもできない親が少なからずいるのも事実で、自分でどうにもならないことは誰かを頼っても良いのではないかな。その為に専門病院があるのですから。
療育や幼稚園、習い事での経験が大きく息子を成長させ、息子が小学生になってもうまくやっていける力になればいいなと思っています。
そして進学し、自分の事は自分で出来るように。
食べていけるくらい稼げる社会人になって欲しいというのが、親の一番の望みです。



個人的には早期診断早期療育に関してはデメリットは無いのではないかと思っています。
ただ、認められない親御さんの方が多いと思うので、子どもの問題をきっかけに夫婦が不仲になってしまったり、親御さんがいろいろ諦めてしまって子どもを放置してしまうとか、育てやすい定型発達の兄弟の方をかわいがってしまう。とか、逆に発達障害児の方に手をかけすぎてしまって、兄弟児まで手が回らずさみしい思いをさせてしまうとか、そういうデメリットはあるのかな?とも思います。
メリットとデメリットを天秤にかけたとき、メリットの方が明らかに大きい。



少しでも子どもの発達で気になることがあれば、病院に行くなり、専門の人に相談して子どもを良い方向に導いて行く。
園生活や学校生活で大きくつまづかないようにするため。また、社会人になって特性ゆえの大きな困り事で悩んだり、働けなくなったりしないように早期診断早期療育が存在していると思います。


親は子どもに対して普通に園や学校に通って、沢山の事を学び経験して欲しいものです。
たとえ診断が付かなかったとしても、困り感をお子さんなり先生、親の誰かが感じているなら、見てみぬふり、気が付かないふりはせずに行動して欲しいと思いますね。
世の中は、困っている人、一生懸命頑張っている人には案外優しいものですよ。

臨床心理士の講演会 相談5 子どもの違和感への対応の

【相談7】年中だが、他の子との違和感を本人が感じたときに声かけはどうしたらいいか?


幼児期に本人が他の子と比べて違和感を感じることはない。

例えば小学校で嫌われている。自分はいなくなったほうがいいと思い窓から飛び出そうとする。

手前まではあるが、本当に起こることは無い。

先生には危ない行動は無言で止めてもらう。

別の会話で気分を変えてみる。

不得意さを持っているお子さんは、何をやっても出来ないと言う。自信が崩れている。

グズでノロマだから嫌われている→不登校、登校渋り

ヘタだ→子どもの違和感にはあまりならないが10代後半に違和感を感じる事が多い。

本人が得意なことを大事にしてあげると良い。



………………………

講演会での内容は以上になります。



息子よりも少し年齢が下のお子さんの悩みが多かったように思いましたし、直接息子に役立つ事はそれほど多くはありませんでしたが、今知ることが出来てよかったと思える情報もあったので、お話を聞きに行ってよかったです。



講演会の臨床心理士の先生の話は、療育施設のお母さんからアンケートを取ったものの中から、いろんな質問の答えを織り交ぜながらお話していたのだそうです。
幼児期も就学後のお子さんの事を数多く見てきて、個別の発達相談だけではなく、園や学校にも巡回相談していらっしゃる、もうすぐ定年しそうな先生の経験値は、素人の私が話を聞いていてもすごいなーと思いました。
次は私も悩み相談アンケートにいろいろ書いてみよう。答えてもらえるかわからないけど。

臨床心理士の講演会 相談4 泣く、拒否

【相談5】はじめての場所では必ず泣く 
慣れにくさを持っている。はじめてが苦手


場所の変化など、最初の1回ははじめてに近い緊張感。予測を持つことが苦手。見通しが身につかない。
泣くことが自己調整機能。

例えば、はじめての場所では必ず泣くという、予定通りの行動をすることで、安定感をはかっている。
子どもがはじめての場所だとそういう流れになっている。もっと慣れれば変わるはず。

園や習い事なら、いち早く預けちゃった方がいい。ハイタッチをするのも有効。





【相談6】新しいものを受け入れてくれない


変化がイヤ。クセ、こだわり化。
いつも通りのものを確認して、理解している行動。
先が読み取れなかったり、世の中に対して小さい頃から怖いと思っている。
押し寄せてくる不安があるから変化が嫌い。
動きが読み取れないので、予測がつかないのが怖い。
生きていく上で必要な恐怖で本人のせいではない。

幼児は自分を客観視できない。

○○したら××しようね。1つづつわかるようになると変わっていく。

臨床心理士の講演会 相談3 こだわり

【相談3】こだわり
質問癖→生きがいのように質問したがる
何回も同じ事を聞く


何回も聞くことで子どもは気持ちが安定する。
何時に行く?と子どもが何度も聞いてくるなら、親が逆に何時に行く?と聞いてみる。

言葉がけのとき1人称表現にする
「10時に 公園 行きます」

先生や親は命令しているようで嫌がる人が多いが命令ではない。
子どもは自分がやるように大人が言ってくれるのは、一番ストンと落ちる。
特に自閉症スペクトラムの子どもに有効。
命令では無く学習を促している。
あれこれ細やかにかみ砕いて言うと子どもはわかりにくい。
端的に削ぎ落とされた言葉から子どもは内容をつかんでいる。




【相談4】こだわり 勝ち負け 一等へのこだわりが多い


癇癪、泣くなどがあればその場から移動させる。
○○くんは嫌なんだよ。とか相手の気持ちを言ってもわからない。
舐めたり、噛んだりしたら、「やめようね」と声掛けして、出来たら10秒くらいで褒める。
どうしてやるの?ママの気持ちわかる?
ママの気持ちを無視した行動。

幼児期の子どもが理解するのは難しい領域。
情緒的な結び付きが難しいお子さんも、大きくなると変わって行く。
一番じゃないと嫌だとかは、こだわっている世の中があるからそう思う。なら、例えば大人が他に賞を作ればいい。
固定した気持ちで止まってるけど、大人の工夫で変わっていく。周辺の大人の工夫が必要。
他のものへの価値観を覚えて行けば変わる。
例えばカードゲームをしていても、何回かやれば勝てるのだと理解できれば子どもも変わる。

一番は無くさなくてもいいけど、大したことではない。興奮したら、タイムアウトする。

臨床心理士の講演会 相談2 奇声、他害行動

【相談2】奇声と他害行動


そういうお子さんが多い。条件下に入るとスイッチが入る。


興奮してしまっている=本人は絶好調


行動の良し悪しが曖昧。うれしくて噛んでしまうこともある。衝動性と行動性はカップリングになっている。
他害は不利。
子どもが不利になる行動はブロック。
幼稚園の先生に相談して、条件を変えることで行動や興奮を抑える。
例えば、朝の玄関の入り口を別の入り口にしてみるとか。


こういうお子さんに自宅での説明は難しい。
現段階では頭に入らない。
パパママの時間差攻撃は頭に入らない。ママだけでは難しいので、現場の大人がコントロールする。可能な範囲で合理的配慮。
配慮がなされると大人も子どももストレスを抱えなくて済む。
園と保護者で共通の絵カードを使うなどの視覚支援。タイムアウト。お仕事を与える。
園に来たらすぐ身支度を二週間やる。ご褒美の遊びを与える。で改善できる。興奮しやすい状態になるなら、現場でコントロールするしかない。