自閉症スペクトラムと診断されて

2歳で境界知能ASDと診断された普通級に通う6年生男児を育てる母の子育て記録

想定される小学校生活での問題

最近、Eテレ自閉スペクトラム症ASD)についての番組を観ました。
以前に観たことがありましたが、オキシトシンの研究の事も少し取り上げられていたものの基本的な内容は前回とあまり変わっていないなという印象です。


要約すると

ASDの子どもはいじめを受けたり、仲間はずれにされることが多い。

周囲からのサポートが遅れると、友達関係でもトラブルが増えて、それがストレスになって引きこもりなどの二次障害につながることが知られている。



小学校生活での問題点

不登校
(健常児約5% ASD児約18%)

・友人関係なし
(健常児約8% ASD児約42%)

・いじめ
(健常児約25% ASD児約45%)


(棒グラフには細かい数字の記載が無かったので、%はだいたいの数字を記載しました。)


不登校、友人関係なし、いじめを経験する児童が非常に多い。


以上昭和大学 烏山病院調べ
(専門外来を受診したASD児302人の調査結果)


相手の仕草や行動など、非言語的なメッセージが感じ取れない。
他人の気持ちを十分に理解できない。そういうところから様々な問題が生じてくる。


自閉スペクトラム症 長所

・常識にとらわれないユニークな発想

・ルールをきちんと守る生真面目さがある

・不正を嫌う 正義感が強い

・気持ちが優しい

上記の長所がみられることがしばしばある。

現実の世界で様々なつまづき、生活上の困難さに直面し、自信を失っていることが多い。


昭和大学 岩波教授

「お子さん1人1人特徴が違う。それによってサポートの仕方も異なる。その子にあった方法を見つけてあげて、コミュニケーション能力を高めて自信をつけさせてあげる。それがお子さんの治療にとって非常に重要だと思う」

とのことでした。


…………………………………


すごい大雑把なコメントだよなー。短時間の番組だから都合上仕方ないのか。


コミュニケーション能力は無いよりあったほうがいいけど、そもそもコミュ力が上がると自信がつくんだろうか?
最低限お友達と仲良くやれれば、学校でも困らないとは思うんだけど。
それすら難しくて、病院に相談しているくらいだから、最低限のコミュニケーション能力は学校生活でも社会生活でも求められるから、いろいろ経験して学んでいくしかないのかな。


それと他に解決できる方法あればいいんですけどね。それを提案するのが医師の仕事なんじゃないの?
お医者さんは、改善した人をどれだけ見たことがあるんだろうか?



上の教授の方のコメントはASD全般をこういう傾向がありますよと説明したものです。
だから息子には当てはまらないな。と思う部分もある。
例えば、コミュニケーション能力を高めて自信につなげる。というのは今の息子には当てはまらない。
基本的に息子は自信が有りすぎる子でもないし、自信が無い子でもない。お友達とのコミュニケーション能力が低いわけでもなく、なんだかんだうまくこなしているように見えるのは、まだ幼児だからかな。



最低限の友達関係、コミュニケーション能力が身についていればいい。
大人でも友達いない人ってたまにいるし、びっくりするくらいKYな人もいますからねー。
それと『常識にとらわれないユニークな発想』は今のところ息子には皆無。



よほどのネグレクトではない限り、子を持つ親は子どもに対してできる手助けはすべてやってるはずで、それでもうまく行かなくて病院にたどり着く。
で、専門家の人が診ている患者って、基本的にかなり困難に直面してこじれてから来る人が多いと思うので、それをどうにかするのが医師の仕事だとは思うのですが…
どうすればこじれなくて済むのか、今何ができるのか?そのあたりを母親の私なら知りたいなって思うんです。
自閉スペクトラム症でも多少の特性はあるけれど、うまくやっている子どもや大人だって結構いると思うんです。



小学校に普通に通って勉強し、行事に参加し、友達や先生とうまく関わっていって成長して欲しい。
学業不振やいじめ、不登校を経験することなく、順調に成長して欲しい。
実際はどんな子でも意地悪されたり、仲間はずれにされたりっていう経験はあるのだけれど、乗り越えて欲しい。



優しくて強い、自分のことは自分で考えて行動できる、自分でいろんなことを乗り越えていける、もしくはやり過ごせる。そんなたくましい人に成長して欲しい。
そんなふうに今は願っています。

療育完全卒業

最近、受給者証の更新をする為に、療育施設の方と面接をしました。



話をしていくうちにあと2回しかない、もう受けなくてもいいかもと思っている臨床心理士さんとの経過観察の為に、新たに支援計画書類を作成してもらうのもな…と。改めて思い直して、支援を受けるのはやめることにしました。



民間療育も受けていませんし、就学後も放課後等デイサービスは受けないで普通に学童に入れる予定なので、支援は継続しなくてもいいと判断しました。



最近あった就学前検診で、小学校には告知しませんでしたが、それに至る経緯をお話する。
主治医には子どもや周囲が困ってないなら、教育機関への告知は要らないと思います。と言われたことと、特別なフォローは必要としていないから。
療育施設では、万が一小学校から問い合わせがあったとしても、親の了承無しに個人情報を小学校に教えることはありません。とのこと。
小学校から問い合わせがもしあれば、わが家は別に言ってもらっても構いません。とはお伝えしました。



息子のお友達の自閉っ子のママは、通常学級プラス通級に通わせる予定で、事前に小学校に告知をしたら、校長先生がきちんと面談をしてくれたそうです。
子どもにとって必要なら小学校に告知すればいいと思う。



2年ちょっと、必死で受けさせてきた集団と個別療育。
今の息子の状況があるのも、療育を通してのバッグアップもあったからでしょう。
息子は楽しく通わせていただきましたし、いろいろな経験ができたこと、本当にありがたかったです。
迷わずに通常学級に通わせられると思えるくらい発達しました。



ここまでくるのに、本当に大変でしたね。
まだお箸がうまく使えなかったり、縄跳びやピアニカがちょっと苦手だったり、食べ物の好き嫌いが多かったりするのが気になりますが、地道に関わっていこうと思っています。
今は順調だけど、小学校で友人関係や勉強で大きくつまづかないか?
中学受験もする予定だけど、親子で協力してやっていけるのか?
今からいろんな事で悩みが尽きません。



療育が完全終了したけれど、終わったからといって息子を普通の子と同じ様な感じて育てるのは少し違うと思っています。
過干渉にならない程度に普通の子育てよりも、丁寧にサポート、気をつけてみていないといけない子なんだな、というのが今の気持ちです。

就学時検診

最近、息子の通う予定の小学校で就学時検診がありました。
やっと終わってほっとしています。   



5年生の生徒さんに連れられて身体測定や知能検査をしたあと、親の所に戻ってきて、先生から「問題ありませんでしたので〜面接に進んでください。」と言われる。
その後先生と面接してあっさり終了しました。
多少緊張していたものの先生からの質問にも答えられていましたし、本当によかったです。



事前にいただいた調査票の最後に

その他→てんかん発達障害、肢体不自由、食物アレルギーなど、学校生活上知らせておきたいことがありましたらご記入ください。

とありました。


今のところ息子は特別な支援は必要としていませんし、普通にやっていけるように私が必死で関わっていろんなことを教えたりして頑張ってきた。
先生には他のお子さんと同じように接してもらいたい。
自閉スペクトラム症だと知らせたところで、こちらは特別な配慮を望んでいませんし、息子の本質がどうにかなるわけではないよなと思って知らせませんでした。
幼稚園の時と同様、何か問題があれば知らせればいいと考えています。



仲良しのお友達と一緒に行ったので、もし発達障害だと書けば、かなり時間がかかってしまっただろうし、バレてしまったかもなと思います。(幼稚園ではクローズドなので)



簡単な知能検査もしたようで、息子は「1つだけ自信がないけどあとはできたと思う。」とのこと。
「なまえもひらがなで書いて、三角とか四角とか描いたよ。」とのこと。
おそらく再検査は無いと思います。



普通に就学前検診を受けて、あっさりと終わった。
そのことに、とても感動しています。
2歳から3歳くらいの自閉全開の頃を思えば、今の状況が奇跡に思えます。
息子、仲良しのお友達と一緒に過ごせてとても楽しかったようです(笑)
とってもよく頑張りました。
お疲れさま。

スキー教室

最近、息子の通う体操教室で冬休みのスキー教室の参加案内が配られました。


費用は高いのですが、いろんな経験をしてもらいたいから行って欲しいなと思って
「楽しそうだからスキー教室行っておいで!」と声をかけたら


「イヤ!行きたくない!!」




と拒否される。
「○○くん、○○くん(クラスメイト)はスキーに行くって言ってるよ!」
と伝えてみたり、欲しいおもちゃで釣ってみたりしましたが、気持ちは変わらないようです。
理由を聞いてみましたが、スキーできないから。
とか言い出す。出来ないから行くんですけど…



うちは私も主人もウィンタースポーツをやらない。(私はスキー3級取りましたけど、そんなのはるか昔の経験で今はできないしやらない)
私たち夫婦は息子をスキー場には連れて行かないでしょうから、せっかくの機会ですし1度は経験してみるのもいいんじゃないかと。
ちょうど私の仕事のある日程だったから、幼稚園の預かりをお願いしなくて済むしちょうどいいとも思ったのですが残念。
小学校高学年でスキー移動教室があるけど、そのときはじめてやればいいのか…
スキー自体があまり興味が無い訳ではなくて、親と何日も離れるのが嫌みたいです。



嫌だというのを無理矢理行かせることも出来ないしなぁ。
クラスメイトの大人しそうな2人は、なぜかにこにこ笑顔で張り切って「ぼく行くよ!」と答えていましたが、この差は一体何??
他のやんちゃ系のお友達は絶対やだ!とママに宣言してた子何人かいたし。
きっと性格だよね…



非日常体験を通して、いろんなことをとりあえずはやってみることで成長して欲しいと思ったんだけど、親のエゴかな。
スキー教室をはじめ、習い事は義務じゃないから、嫌だと言えばやらなければいい話なんだけど、義務教育ではそうは行かない。
そのあたりをきちんと教えていかないとな。



今回の出来事で、親が思うように子は育たない。を実感。息子と仲良しのお友達が参加するなら、息子も行くかもな。
いろんな事1つ1つが悩ましいです。

発達障害児だから中学受験

まだだいぶ先の話ですが、わが家は息子を中学受験させる予定です。



中学受験の為の塾や入学後にかなりお金がかかりますが、今からコツコツ必死で貯めてますよ(涙)
もうこれはわが家の子どもに生まれたからには義務みたいなものです。
例えば商売やっている家の子が簿記取れる学校に行くのと考え方的には変わらない。
本人の意思を無視しているとは思いますが、息子が定型発達だったとしても受験させると思います。



わが家は主人の親族は皆高学歴。
中学受験して私立に通っていた人、多数。
基本的に教育熱心な一家で、今も健在の曾祖母に至っては、女学校でバイオリンをやっていたというお嬢様っぷり。
戦後すぐ生まれの義両親も大卒という教育熱心な一家。



嫁の私は暗黙のプレッシャーを感じています。
義母は都内の学校の事はよくわからないし、主人と私の子どもなのだから思うように育てたらいいと話してくれたことがあります。
義母は姑との関係でご苦労があったようで、私達の家庭にはほとんど口出しもしなければ、嫁の私にも気を遣ってくださるあたたかい人です。
そんな優しい義母なので、その言葉の半分は本音でしょう。



ですがごくたまに息子の発達に関して、おむつがまだ取れないとか、年少の頃にはまだ字がかけないんやなぁ。とか心配していたりします。
先日帰省したときに、主人が足し算の問題を3+4は?みたいな感じで口頭で出していたら、「文章で出さなあかんと思うわ」と一歩前進した事を言っていたそうです。
そんな義母は元教師。
放任主義の私の実母とは大違いだから戸惑いますよ。



発達障害があっても知的に低くなければ、通常学級に行く事が多いと思うのですが


小学校の6年間でいろいろやらかして、レッテルが貼られてしまって地元の公立中学には行けないパターン。

とか

忘れ物が多かったりなど、なかなか内申点が貰えないので公立中学では必要以上に苦労する。
特に男の子は定型発達の子でも内申点には苦労しがち。

専門家が中学受験を勧めてくる。

反抗期と高校受験が一気に来ることを避けられる。


なんて話が、ネットにちらほら書いてあったりするので、発達障害があって知的に問題無いのなら中学受験してみたら、本人も公立よりも充実した学校生活が送れるかもしれません。
私立の方がいろいろな面で手厚いですし。



子どもがまだ年長なのに中学受験の心配をしている私は、必要以上に過保護なんでしょうね。
主人の家の雰囲気が違っていたら、きっと中学受験なんて考えなかったでしょう。
お金がかなりかかりますが、主人も私もそれぞれ出来ることをして、息子をサポートしていきたいと考えています。
今から息子の勉強の事を考えると正直頭が痛いです。
なにせプリント嫌いなので。
頼むから勉強大好きで、テストで100点取ることに快感覚えるくらいの子になって欲しい…
自閉の状態から普通っぽい状態になっただけでも万々歳なのに、欲が出てるなー私。

今も必死で絵本の読み聞かせ

特に2歳の頃、言葉が全然出てこないのを不安に思って沢山読み聞かせをしていました。
私の必死の努力にも関わらず、なかなか言葉が増えなかった息子。
幼稚園入園後に必要に迫られたからか沢山話すようになり、年長の今では普通に会話できるようになりました。
会話が成立するようになると、理解力が上がると子どもと一緒にいるのも楽になるのを日々実感しています。



全体的に発達が遅かった息子ですが、幼児期の絵本の読み聞かせは大事!と思って、今も読み聞かせは継続中です。
私自身子どもの頃、絵本が大好きだったことも影響していると思います。
時々めげたり、体調不良で読み聞かせ少なめだったり、まったくできない時期もありましたけど、意識して読み聞かせています。
可能な限り毎日。




2015年のベネッセの調査によると、ほとんど毎日絵本、本の読み聞かせをしていると答えた親の割合が、年長17.8%だそうです。



私が子どもの頃に比べると、お母さんが働いている割合が多い。
幼稚園や保育園で読み聞かせをしてくれるし、年長くらいになると自分で絵本が読めるからという理由で読まなくなるようです。



にしても、毎日読み聞かせしている親御さん少なすぎませんか??20%以下ですよ。



絵本は幼児にとって良質なテキストだと思うので、たいして面白くもないプリントやドリルを家でさせるくらいなら、絵本の方が良いよなーと、感じるんです。



専門家によると、読み聞かせがあまり意味が無かったと言う親御さんは、早くに読み聞かせを止めてしまった人が多いそうなので、就学後も本人がもうしなくていいと言うまでは、本の読み聞かせをしようと思っています。



息子には通常学級の授業を理解して普通にこなしてほしい。
そのための、語彙力や知識、理解力、考える力を絵本を通して学んでもらいたい。
息子の能力の底上げをしたい。
私が直接できることは、絵本の読み聞かせくらいかな。と思って取り組んでいます。
息子が3歳で境界知能と言われなければ、こんなに必死に絵本の読み聞かせしなかっただろうなぁ。



くもんの推薦図書は、昔から読み継がれている名作が多かったりするのですが、残念ながらあまり本人が気に入る絵本が無いようで、せっかく借りてきても1〜2回読んで終わりだったりします。
推薦図書の10冊に1冊くらいは息子が面白いと感じて、何度も読んでと言ってくる絵本があるので、お願いされれば何度でも同じ本を読んでいます。
小学生になっても本が好きな子になってくれるといいなと思っています。

運動会 年長

最近、幼稚園の運動会が終わりました。



年長さんは競技が盛りだくさんで、徒競走、クラス対抗リレー、バルーン、組体操をしたり、親子競技も!



とても立派でした!!
息子はとっても頑張っていました。
他のお子さんと同じように頑張っていました。
お友達と協力しないとできないリレーや組体操でも、他のお友達と一緒に取り組んでいました。
本人がやる気になって集中して頑張って課題をこなしていたからこその立派な出来だったのですが、それ以上に先生方やお友達の力、影響が大きかったと思います。



幼稚園最後の運動会、お疲れさまでした。
私も周りのママ達も先生も、涙、涙の運動会でした。



今回の運動会も私の方の親族が見に来ましたので、お弁当作りが大変でしたが、沢山の感動をくれた息子やお友達、幼稚園には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
幼稚園の運動会も今回で最後。
さみしいですが、息子の新たな一面や成長も見られて、私は本当に幸せです。
こんな素敵な経験をさせてくれてありがとう。
少し前まで息子の発達障害でいろいろ落ち込んでいた状況が嘘のようです。
全部がとってもカッコよかったよ、息子くん。