下記を総称して「発達障害」という
ASD(自閉症スペクトラム障害)
ADHD(注意欠如・多動性障害)
ADD(注意欠如障害)
LD(学習障害)
子どもの発達障害の主な症状
・視線が合わない
・人に興味を持たない
・言葉の発達が遅い
・こだわりが強い
治療法が確立されてない。
アメリカで生まれたトレーニング方法(ABA応用行動分析)
上記の症状を改善する可能性がある。
1.すぐほめる(なにをほめられたのか理解させる)
2.できるように手助けする(成功体験を積み重ねる)
3.主導権を握らせない
これができなかったら、チャイムが鳴っても席につけない。
保育園や幼稚園でも「みんな集まって」と言われたときに集まれない。
集団で動くためにも大人が言ったことに素直に耳を傾けるのが大事。
応用行動分析とは?
行動 + ほめる → 行動が増える
上手、素敵、最高!とか秒速で答えているのが、本当にほめるというのとはちがうのでは?おだてているような感じを受ける。
平岩医師のコメント
↓
もっともな意見ですが、この場合は子どもたちに出来ないことを出来るようにする。それを増やすという事が目的なので、ほめることは積極的に使うべき。
大人の場合にはおだてられてるんじゃないかと疑ったりするが、幼児の場合ははやくほめることで次の行動にうつることができるので、ほめることは非常に重要。
失敗させないということもすごく重要。失敗させないで出来たらほめる。出来なかったら手助けしてもほめる。それに尽きると思います。
ABAは誰でも効果が出るものなのか?
↓
効果が出やすいお子さんと、出にくいお子さんもいる。
どういうふうにやるか、子どもにわかりやすくできるかということも非常に重要で、子どもがわかっていないのにまわりの大人が強制的にやらせようとするとおそらくうまくいかない。
出来たときに瞬間にほめるということはとても大事。
ガの音は比較的出しにくいので、濁音は2歳でも出なくてもそんなに急ぐ必要は無い。
特にザ行は4歳過ぎないと出てこないのは定型発達でもよくあることなので、うまくできないからなんとか修正して、正しく言わせようとして、繰り返していると、しゃべること自体に子どもが拒否感を示してしまうと、これは完全なマイナスになるので、次々に続けて行くことが大切です。
ほめたときに、うれしそうな子どもの顔がぱっと出ます。この笑顔を確認すれば、おだててるんじゃないということがわかります。
それから、ありがとうという言葉がとても大切で、これもほめ言葉ですし、ハイタッチも褒め言葉ですし、いろいろなほめ方があるのですが、すべて子どもの笑顔を引き出すってことが、次の行動、次のサイクルに結び付けることにつながります。
VTRに出ていたお子さんを持つ親御さんが、このままだと喋れなくなりますよと宣告されて、かなり不安だったと思うんですけど、医師に言われたんですかね?
平岩医師のコメント
↓
そういう事はよくあります。私たちは障害というよりは、出来ない事を抱えているお子さん
たちを診ることが仕事ですから、例えば自閉症であるという診断をして帰すということは、これで自分の将来は真っ暗だと思って、親が子どもを抱いて身投げをしてしまうかもしれない。
だとすれば、我々は何が出来るのか。家に帰ってこれをやりましょうということを1つでも2つでも伝えて、次に来るまでにそれを一生懸命やってもらって、少しでも出来るようになれば一歩でも前に進みますから、そういう積み重ねで、宣告して終わってしまうのでは何の意味も無いんですが、まだまだ様子を見ましょうとか、あたたかい目で見ましょうとか、そういう言葉でごまかされていることも結構多いと思います。
VTRに出ていた5歳の男の子にABAをやっているお母さんの意見
「気持ちが続かない、さぼっている時期がいっぱいあったり、家事が忙しいとそればかりになって、ちょっと今日はセラピーいいかなとか」
「ちょっと頑張って出来た体験とか、その時の子どものドヤ顔、どう?みたいな、単なるIQの伸びだけでやっていると、しんどくなる、挫折する面もあるんですけど、本人が楽しめることを増やしたいとか、世界を広げたいと思ったら、それがモチベーション」
栗原さんはお母さんがどういうふうに関わってくれたかは覚えていますか?
栗原類さん
↓
「子ども時代は自分が苦労したというより、親に苦労させてしまったというのがすごく大きかった。
特に僕は母子家庭だったので、仕事も家事と僕を育てるのも、全部母親が背負うことが大きかった。
僕の母親は自分の時間も大切にしたいタイプの人間だったので、やるべきこともやりつつ、僕をおばあちゃんの家とかに預けて、預けている間に自分のやりたいことをやって、そういうので自分のモチベーションを続けると言っていた。」
「母親がよく言っていたのが、人生は徒競走じゃなくて、長いマラソンなんだから、スタートダッシュでいきなり息切れしてリタイアするよりは、長く続けることが重要だっていうふうに僕にも今も言ってくれているので、これをやるのではなく、続けることがすごく大事なんだ。っていうのは今でも僕は大事にしています」
ABAを長く続けるコツ、アドバイスは?
平岩医師のコメント
↓
「最大のポイントは療育をしなければいけないという先入観にかられて、つらくなることではなくて、とにかく日々楽しくやるということです。
楽しくなくても少なくとも楽しそうにしなければ子どもはついて来ないということも意識してください。楽しくやって子どもの笑顔を引き出せれば、それが一番いいですし、5分でも30分でも続けていくことが出来ます。今日もやらないといけないのかな、つらいなということですと、やはりなかなか続かないです。
栗原さんのお話のように、少なくとも続けていくこと、スモールステップ化して少しづつ。いっぱいやろうとして焦らないことも大切」
「いっぺんに30分やる療育とありますし、1つの単位を1分2分3分という小さいものを1日に10回20回やるという方法もあります。外来では忙しいお母さん達にはそういう方法を教えていますし、実際に実演して教えていることもよくあります。」
「最初は隙間の時間でやっていけばいいのですが、幼稚園にいて座って何かをするとか学校に入るとか、座って人の話を聞くとか、いろんなスキルが必要になってきますから、それは子どもの発達段階に応じてどのスキルが必要かによって変わってくると思います。」
視聴者からの意見
小学校4年生でADHDの娘がいます。
ほめて伸ばせと主治医もスクールカウンセラーも言うけど、ほめる部分がありません。
10回憎まれ口をたたかれて11回目にやっと嫌々勉強にとりかかっても、なかなかほめられません。
ほめる余裕がありません。
子どもの自己肯定感を高めるといいますが、私の自己肯定感がすでにボロボロです。
今すごく苦しいです。
平岩医師のコメント
↓
一番簡単なのは11歳であれば、お手伝いを頼んで、お手伝いをしてもらって、ありがとう。と
この場合ですと1日に30回くらいやってくださいとお願いします。
単純にそれだけのことで、お子さんとの距離が確実に近くなります。
どうしてもうまくいかなければ、やんなさい、~しちゃダメ。って禁止の言葉が多くなりますから、お手伝いでいっぱいほめてください。
そこから何かが変わってくると思います。
ただほめてくださいと言われてもなかなか出来ないです。
お手伝いはほめるための最高の材料の1つです。
自閉症のお子さんをお持ちの視聴者の質問
小さい頃にほめすぎたことの後遺症というか、いまだに何をしてもほめてくれることを期待し、ほめ言葉が無いと相手にほめることを要求するようになりました。
ほめられなくても出来る、やるようになるには、幼少時にどのようなことをすべきだったのでしょうか。
常にほめるということは大事なのですが、ほめなさいほめなさいと言われてると、形式的になってしまい、ほめ言葉さえ言えばいいというふうになってしまうと、なかなか子どもが動きにくくなってしまう。おまけに何かのご褒美、物的なご褒美がからんだりすると、余計そういう事が起きてきたりします。
簡単でもいいですから、心からほめてください。
というのが1つです。
それから、ほめても下心を疑われればできませんが、ありがとうと言われても下心は疑いません。それは普通何かをしてもらったときに言うからです。だからお手伝いこういう場合には有効ですし、そういうことから少しづつほぐしていかないと、なんとなく煮詰まってしまった親子関係をほぐすというのはかなり時間がかかります。
重要なことはほめるということだけではなくて、急がないということもとても大切です。
煮詰まった関係を、何年もかけて煮詰まった関係を1ヶ月で元のようになるということはありえないですから、やはり少しづつ出来ることが増えて、1回でも2回でもあの子の笑顔が見られたら最高。そっから行くことが一番いいかな。
と思います。
してあげなきゃいけないという漠然としたイメージがあったが、してもらってほめる。リズムが出来ているのが重要なのか?
平岩医師のコメント
↓
出来るためには前提条件、こういうことをさせようとすると、前提条件があるのですが、例えばペンを持ってきます。落としたときに拾って、拾ったところまでが最初の条件、そうすると子どもが拾って渡してくれます。渡してくれるのは行動です。そしたらやったね!ってタッチすればいいんです。
これだけのことで、簡単にABAのひとサイクルが回っていきます。これを沢山回すということが大切なんです。そのときにありがとう、やったね!っていうのは瞬間に言わないとダメです。子どもが別のほうを向いてしまって言っても、それは伝わらないです。
どんなことがあれば、社会で幸せに生きやすく感じるか?
栗原さん
↓
発達障害の人って得意な部分と不得意な部分があるので、なるべく得意な部分を見て欲しい。もちろん出来ない事もいろいろあるんですけど、多目に見てくれって言ったら、ちょっと甘えているような感じになってしまうと思うんですけど、その発達障害の人に限らず、ほめられることは誰が感じてもうれしいと思うんですけど、元々発達障害の人は自己肯定感がすごく低いですし、成功談とかがそんなに無いので、ほめて伸びるような部分とかもほめたりとか
されなかったら、伸びるところも伸びないと思ったりするので、もちろん僕らにもなるべく出来ることと出来ない事があるんですけど、ちゃんと僕らの出来ることもちょっと認めて欲しいと思っています。
ABAって限られてるんでしょ?
↓
一部の公的な療育機関では取り入れている地域もありますし、NPOや企業なども徐々に広めつつある。
国家資格があるわけではないので、均一なものとして受けられる状態にはまだない。
平岩医師のコメント
↓
ABAという言葉だけに惑わされないで欲しいんです。ABAの中にもいくつかのやり方があります。
その質もあります。どのようにABAをするかによって効果は違いますので、ABAという名前だけにこだわることはやめたほうがいいと思いますし、社会に出て自立するためには、読み書き算数は必要です。
入れられるものはちゃんと入れておきましょう。
少し前のあさイチの特集ですが、
私のメモがわりに記事にしています。